無垢板の床貼りで覚えたコツとテクニックをまとめてみました

1回目の床貼りワークショップも無事終了しましたので、これまでに覚えた床貼りのコツとテクニックをここにまとめておきます。

フローリングの床の張り方にはいろいろな方法があります。今回は杉の無垢板を根太張り工法で乱尺貼りで施工していきます。

根太張り工法

今回実施した根太張り工法は、根太の上に直接床材を張っていくやり方です。

この他に根太に対して下地合板を下張りして、その上に床材を張っていく「捨て張り工法」というやり方もあります。下地材を張ることにより根太張り工法より床の構造がしっかりします。この部屋は下地合板を張る高さが取れなかったのですが、他の部屋は「捨て張り工法」で床を張っていく予定です。

乱尺張り

この他に一般的な張り方として、「りゃんこ張り」があります。

床貼り作業の基本工程

1.ガイドライン(基準線)を引く

ゆがみなく床材を張っていくために、基準となるガイドラインを引きます。今回はレーザー水準器を使って部屋の中心にガイドラインを引きました。

2.捨て張り(基準となる角材を固定)

ガイドラインに合わせて角材を固定しました。いきなりガイドラインに合わせて床材を張っていってもいいのですが、まず角材をガイドラインに合わせて固定し、この角材に床材を合わせていくほうが、作業が簡単です。

一枚目の床材が張り終われば、あとはこの床材にあわせていけるので、角材は不要となります。

3.床板の長さを計測

必要な床板の長さを計測します。長さはミリ単位まで正確に測る必要があります。

👉Tips

このとき注意しなければならないのは、根太の中央までの長さを測るということです。

床材のつなぎ目は、必ず根太の中央にかかっている必要があります。根太と根太の間につなぎ目がくると床板を支えるものがなくなるからです。

4.床板を切断し、切断面のかどを面取りする

測った長さ通り正確に床板を切断します。切断面は紙やすりで「面取り」というかど落としの加工をして、床を張ったあとのササクレが出ることなどを防ぎます。

この面取りをせず切りっぱなしのままだと、下地が凹凸していたり、施工後に床板が膨張したときなど、板と板の間に段差ができて素足で歩いたときにつまずいたり違和感を感じてしまうようです。

👉Tips

長さを測る前に、まず床板の端を直角に切り落とします。床板は製材してあっても運搬の途中で傷がつくなど正確に直角が出ているとは限らないので、正確に切るために端は切り落とします。このとき、ひび割れ等がある場合はひび割れ部分を含めてすべて切り落とします。

👉Tips

床板は裏面を上にして、長さを測り鉛筆などで印をつけます。これで表に印が残ることを防げます。また、丸ノコで切断する場合、刃が下から切り始めるので表面にバリが出やすくなります。裏面を上にすることで板の表面にバリが出にくくなります。

5.床板の位置を決める

床材には左右には「さね」という凹凸があります。さねがしっかりとかみ合うように、床板をはめ込みます。床材にあて木をあてて、角材やゴムハンマーなどで打ち込んでしっかりとさねが噛み合うようにしていきます。

👉Tips

無垢板なのでまっすぐ製材されていても、多少の歪みがあることがある。片方を合わせて反対側の隙間が大きくなるような時は、板の上に乗り押さえながら固定していくことで修正できる。

👉Tips

床板同士の隙間に名刺程度の薄いアクリル板などをはさみ、1ミリ程度の隙間を開けて組み合わせる。無垢板なので、施工後に湿度で伸び縮みする。工事の時に隙間なくきっちり張ってしまうと、後で床板が反ってしまうことになるので、多少の隙間が必要となる。

 

6.下穴開け&ビス打ち

フロア釘で床板を固定するやり方もありますが、今回はインパクトドライバーでビス留めすることになりました。

ビスは床板に45度の角度で根太に打ち込んでいきます。

作業手順

①ドリルで下穴を開ける

板割れを防ぐために、下穴を開ける。

②インパクトドライバーの先でグリグリ

ビスの先をそのままねじ込むと板割れを起こすので、ビスの先が埋まる程度にドライバーの先をグリグリ動かして、穴の入り口を広げる。

③インパクトドライバーでビスを打ち込む

ビスの頭が床板に埋め込まれていないと、次の床板とさねがうまく噛み合わないので、確実に埋め込む。

👉Tips

ビスの頭を潰さないように、インパクトドライバーをはじめはゆっくりと回転させる。いきなり高速で回すとビスの頭を潰してしまう。

 

以上、ここまでに覚えたコツとテクニックでした。

 

今日はこの曲をどうぞ。

Kehlani - Honey (Live Performance)

 

大多喜の家再生プロジェクトvol.2 床貼り編

2回目のワークショップを開催しました。

古民家再生に関心のある方は多いようで、今回も募集してすぐに定員に達してしまいました。ワークショップ当日は12月というのに20度近い暖かな日差しです。季節的には大多喜のきれいな紅葉を期待していたのですが、まだ早い感じでした。

今回のテーマは「床貼り&解体」です。

今回から参加される方も多かったので、全員で簡単な自己紹介のあと、つみきの田中さんから当日の作業内容の説明を受け、解体チームと床貼りチームに分かれて作業開始となりました。

解体作業           

解体は、おもに仏壇を取り壊して壁を抜くことと廊下にする予定の押し入れの床材の解体です。前回から間取り設計を進めて新たに解体が必要になった部分を追加で行うこととなりました。

解体作業途中の写真を取らないうちに作業が終わってしまい、気づいたらきれいに壁が抜けていました。

床貼り作業           

床貼りチームは、断熱工事と杉の無垢板の床貼り作業です。

今回の作業手順は、こうなります。

1.根太の間に断熱材(スタイロフォーム)をはさむ

2.防水防湿シートを貼り、気密テープで密封する

3.床材を根太にネジ止めする

1.根太の間に断熱材(スタイロフォーム)をはさむ

スタイロフォームとは、ポリスチレンでできた発泡スチロールのような断熱材です。これを根太の間に隙間なく敷き詰めます。

根太の間のサイズを測り、カッターでスタイロフォームを切って根太の間に挟んでいきます。

根太の間隔は等間隔で施工されているとはいえ、ミリ単位で等間隔になっているわけではないので、実際の間隔を測りながらスタイロフォームが隙間なく入るよう微調整しながらの作業となります。

もっと古い古民家になると製材された材木ではなく、凸凹のある細い丸太をそのまま根太に使っていることが多いので、隙間を断熱材で埋めるのはかなり大変な作業になります。

 

一見床のように見えますが、発泡スチロールのような発泡材が挟んであるだけなので、スタイロフォームを踏み抜かないように慎重に根太の上を歩きながらの作業となりました。

 

できたと思ったら、踏み外して穴が空いてしまいました。ここを修復して密閉し直しです。

2.防水防湿シートを貼り、気密テープで密封する

すべて敷き詰めた上に、防水防湿シートを貼っていきます。シートを敷いたあとに周辺を気密テープで貼り付けて完成です。

 

古い日本家屋は隙間だらけなので、床下からの冷気が天井の上り、屋根に抜けていくという空気の循環を作り出すので寒いのだそうです。

このシートで床下からの湿気とともに冷気の流れを防ぐとのことです。

3.床材を根太にネジ止めする

次はいよいよ床貼りです。

今回は根太に直接床材を貼る根太張り施工です。この他にまず合板を下張し、その上に床材を貼る施工方法もありますが、この部屋は床の高さの関係で合板を貼ることができないため、直接根太に貼ることになりました。ちなみにこの部屋以外は合板で下張し、床板を張っていくことになります。

まずは前日レーザー水準器でつけた印に合わせて、基準となる角材を捨て打ちしました。この角材に合わせて一枚目を貼っていけばいいわけです。

スタイロフォームの上に立つことができないので、慎重にバランスを取りながら根太の上に立つ作業が続きます。バランスを鍛える体幹トレーニングのようです。

今回は無駄な材料が出にくい乱張り(乱尺張り)で貼っていきます。一定の長さの板を貼るのではなく、張りながら切っていくことで無駄な材料を出さない張り方です。隣の板とつなぎ目が重ならないよう、つなぎ目をランダムに貼るのが無垢板の風合いを活かした張り方だそうです。

ちなみに、もう一つの一般的な張り方がこちらです。

今回はフローリングの床板を数列貼ったところで時間切れとなり、ワークショップを終了となりました。

残りは引き続き、自分たちで仕上げていくことになります。

ワークショップは今後も続いていきます。

今後の予定としては、

床貼りワークショップ

壁塗りワークショップ

障子を使った断熱ワークショップ

柱&床の塗装ワークショップなどなど

いろいろ計画中です。

 

今日はこの曲をどうぞ

Kina Grannis - Can't Help Falling In Love (Piano Version) Official Stream

 

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